じったんの10ヶ月アルゼンチン生活!

大学を休学し、ブエノスアイレスでスペイン語を学びます。

アルゼンチンのお金の話

帰国まで、あと2ヶ月切ってしまいました。

8月7日に帰国します。

 

もうアルゼンチンにいられるのもちょっとなので、

私から見て、アルゼンチンってどんな国なのか、を書いていこうと思っています。

やっぱり南米って面白かったです。

特に、アルゼンチンは不安定で、スペイン語でニュースを見ない限り、

今アルゼンチンがどんな状況なのかを追うのは難しいと思います。

 

経済や、治安、ストの頻発などについて書こうと思ってますが、

あくまで私がどう思ったなのか、なのでどうか鵜呑みにはしないでください。

 

 

 

今回はアルゼンチンのお金の話。

 

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5月くらいに本気でアルゼンチンに移住する可能性を考えてみたんですが、

やはり、アルゼンチンに移住は厳しい、という結論に至りました。

その理由は、経済状況が悪いからです。

 

 

ブエノスアイレスの街を歩いていると、ヨーロッパみたいな街並みだし、

歩いている人々も綺麗な服を来て、iPhoneとかも持ってるので、

日本と変わらず、先進国のように見えるんですが、

だんだん「アルゼンチンやばい!」とわかってきました。

 

 

何よりもまず語るべきは、インフレです。

私がアルゼンチンに来てびっくりしたのは、

主に流通している一番大きい紙幣が、100ペソ札だったことです。

日本円の価値にしてなんと、700円。

 

現在は、500ペソ札もだいぶ流通してきていますが、

私がアルゼンチンに着いた10月には、500ペソはあんまり手に入らなくて、

ATMで現金を手に入れようとすると全部100ペソ札で出てました。

(今でも100ペソ札しか入ってないATMはたくさんある)

 

一度、ブエノスアイレスとは別の都市のスーパーでレジに並んでいた時、

クレジットカードの支払いをスーパーのレジでできるらしく、

30枚くらいの100ペソ札をお客、レジ打ちのお姉さん、その上司で、

「いち、に、さん、し…」と3回に渡って数えるものだから、

レジが全く進まず、ヒステリックを起こしそうになったことがあります。

 

 

10月からでも十分にインフレを感じることはできて、

その安さ故、私の命をつないでくれている、マルちゃんの袋麺は、

13ペソが最安だったはずなんですが、今では18ペソが当たり前。

 

地下鉄の値段も、11月に3.75ペソから、7.5ペソと、倍に値上げされました。

今、バスを乗るには、だいたい6ペソくらい払うんですが、

2年くらい前までは、1ペソだったと、私の彼は言っておりました。

(公共交通機関の値段が安すぎるのもアルゼンチンの面白いところ)

 

ワインもすごく値上がりしてるらしく、

日本人からすると、安いけど、激安!って訳ではない。

今はスーパーで100ペソ出せばまぁまぁいいワインが飲めるけど、

数年前は10ペソとか、20ペソで十分いいワインが買えたらしい。

 

 

現在でもモノの値段はガンガン上がってます。

賃金も少しずつ上がってるようですが、インフレ率には追いついていません。

 

ただ、アルゼンチン人は見えっぱりな人が多いという話があるくらい、

生活は苦しくとも、みんな比較的綺麗な服を着ています。

 

「とにかく生活が苦しくて、お肉が買えないの!!」

と語学学校の先生が話していたんですが、すっごくお洒落な格好をしていたので、

少し不思議でした。私だったら、お肉をとる。

 

 

二つ目に話したいのは、賃金が低いこと。

www.eldestapeweb.com

 

1年前の少し古い記事ですが、2017年1月に、

フルタイムの最低賃金が月8060ペソに値上がりされるにも関わらず、

マックで働いてる人は4500ペソしかもらってないよ、という内容です。

適当に計算して、マックの最低賃金が200円くらい、

そして、ビックマックセットの値段が770円。

世知辛いよう。

 

そもそも法律で決まっている最低賃金が56000円ということに驚き。

日本の半分以下…。

平均月収も同様に日本の半分以下。

ブエノスアイレスの平均月収112000円)

El salario promedio en la Ciudad de Buenos Aires es de casi 16.000 pesos - Infobae

 

さらに、仕事もなくて失業率7%超え。

違法な仕事に就いて、時給300円で1日12時間働くことも割と普通なんだとか。

学生のバイトもそんな感じらしい。

 

 

彼が2019年春に日本に旅行しに行きたい!そのためにバイトするんだ!

と張り切っているんですが、この話を聞いた時に、

「時給300円じゃ、飛行機代も出せないよ…無理だよ…」と、

私は泣きそうになっちゃいました…。

 

実際にブラックバイトで、時給300円で働いているという彼の友達(学生)は、

「東京の最低時給は900円らしいよ」と伝えられた時、心底驚いていたそうです。

 

 

それでいて、物価が日本とそんなには変わらない。

スーパーで買う食料品は日本よりも若干安いですが、

洋服、電子機器、輸入品は日本よりも全然高い。

"輸入された電子機器"であるiPhoneのお値段なんと、約190000円(iPhone7 32GB)

www.lanacion.com.ar

 

旅行に出る時、日本で11000円のThe North Faceのバックパックを買おうと思ったら、

アルゼンチンではなぜか26000円以上していて、目が点になりました。

 

彼らはどうやってお金をやりくりして、

iPhoneや海外ブランドの洋服を買っているのか…。

 

 

でも、これは日本が恵まれている、という話なのかもね。

日本のお給料は結構高いんだろうね。

 

「日本もう結構ヤバそう!」と思って、アルゼンチンに来てみたら、

「これで国が成り立ってるなら、日本はまだまだ大丈夫」と楽観視してしまうくらい、

アルゼンチンは結構やばい。

 

 

 

こんな感じで、私は結構アルゼンチンの将来について悲観的だったんですが、

ブログを書くにあたり、いろいろ調べていて、

日本語のわかりやすい、アルゼンチン経済に関する調査を見つけました。

 

http://www.murc.jp/thinktank/economy/analysis/research/report_170130.pdf

出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング

 

現大統領に変わってから、アルゼンチンは経済の自由化を進めているため、

補助金や規制がどんどんなくなっていて、国民の生活は今は厳しいものだが、

ここを乗り越えられれば回復が見込める、という趣旨のレポートでした。

 

資本主義!自由経済!な日本にある会社が作っている調査なので、

そういうバイアスはかかっていると思うのですが、確かになぁ…と納得しました。

何事でも、変わるためには痛みは必要ですもんね。

アルゼンチンの変革期、としてポジティブに捉えることもできるのかもしれない。

 

 

ただ、他にもアルゼンチンには日本ではちょっとありえない感じの

文化、国民性、社会問題がたくさんあって絡み合っているので、

今の状況を乗り越えるのは相当大変そうだなぁというのが私の感想。

  • ストライキが多すぎる問題
  • 移民の国である難しさ
  • アルゼンチンの社会主義っぽさについて
  • スラム、貧困、格差、治安

日本とあまりに違うので、誰かに話したくて仕方なくてうずうずしているんです。

気が向いたら、ブログに書き記したいと思います。

 

でも、ネガティブなことばっか書くのもアレなので、

アルゼンチン愛が伝わるようなブログも書けたらいいな。

アルゼンチン、結構好き!肉がうまい。

 

それでは〜!

 

 

※最後に※

アルゼンチンペソから日本円に換算するときは、7掛けして計算しています。

アルゼンチンの物価などは変動が激しく、正確でない数字もあるかもしれませんが、

あくまで目安として、日本とアルゼンチンの違いをお伝えできていたら嬉しいです!

 

 photo credit: Alex E. Proimos <a href="http://www.flickr.com/photos/34120957@N04/4973732805">Cien Pesos</a> via <a href="http://photopin.com">photopin</a> <a href="https://creativecommons.org/licenses/by-nc/2.0/">(license)</a>